オーストラリアに移住した後、働いていてこんなことがありませんでしたか?
- 体調の悪い家族の面倒を見るのに給料を貰って休めるなんて
- スーパーアニュエーションってどれだけ支払ってるの?
- 色んな制度があるのはしってるけど、英語で調べるのが面
実はこれらは全てボクがオーストラリアに来た当初に知らなくて損をしていたことなんです。
もっと早くに、しっかり調べていれば!と後悔したので、同じような境遇の人に向けてこの記事を書いてます。
この記事ではオーストラリアで働く際に、絶対に知っておくべき制度をまとめました。
- 雇用形態
- 最低賃金
- 手当の出る休暇
- 休日手当
- スーパーアニュエーション
- 源泉徴収
- 所得税
- 所得控除
制度はあくまで国で決められた最低限のルール。雇用主と交渉すれば色々な条件をつけてもらえる可能性があります。
給料交渉を行った体験談はこちらの記事をご覧ください。
>>【体験談】海外で給料交渉してみた。年収アップでウハウハ大作戦inオーストラリア
この記事は知識を共有する目的で作っており、個別にアドバイスをするものではありません。それぞれにリンクを載せていますので参考にしてください。
目次
1、基本的な3つの雇用形態

オーストラリアの雇用形態は日本と少し異なるので注意して選ぶ必要があります。
3種類の雇用形態
- フルタイム
- パートタイム
- カジュア
それぞれで働ける時間、給料、利用できる制度が少し違うので見てみましょう。
重要なのは自分の雇用形態をしっかりと理解することです。
詳しくはFair work ombudsmanのサイトから確認できます。
フルタイム
日本人には1番なじみのある働き方ではないでしょうか。
よくある例としては朝の9時から夕方の5時まで働くスタイル。
- 週に38時間まで働けて、雇用者と被雇用者の同意があればそれ以上も可
- 各種の休暇手当てが出る
- 解雇する場合は事前に知らせる必要がある
長時間働けて各種の保障もしっかりしているので一番安定していると言えます。
休暇手当については次の章で説明します。
パートタイム
日本でも子供を育てながらパートタイムとして働いている人が多いですよね。
- 週に38時間を上限として働ける
- フルタイムと同様に各種の休暇手当てが出る
- 解雇通知も必要
フルタイムより働く時間が短くなりますが、同じ保障があります。
カジュアル
日本に雇用形態に当てはめるとアルバイトに近いです。特徴は以下の通り。
- 働く時間に保障がなく、収入が一定になりにくい
- 不安定さを補うため給料が25%上乗せされる
- sick leaveなどは休暇手当が払われない
- 雇用者との合意があればフルタイム、パートタイムへの移行が可能
カジュアルとして働き始める場合が多いようです。
働きぶりを評価されると、固定のシフトやフルタイムに移行するのが一般的。
同僚のサリーはパートタイムで介護施設で働きながら、安定性を確保
カジュアルとして時間と体力のある時に病院でも働いて、更に給料アップ
好みに応じて、働く時間・収入を増やせるのはオーストラリアで働くメリットですね
年収で見ると、働く時間の長さからフルタイム>パートタイム>カジュアル
安定もしているので子供がいる、家のローンがある人向けと言えます。
しかし生活の自由度という意味では、その逆になります。
あなたの生活にあった働き方を選んでくださいね。
2、オーストラリアの最低賃金は世界一高い

仕事をする上で最低賃金がどのくらいか知るのはとても大切です。
ビジネスオーナーによっては自らの利益を増やすために、最低賃金よりも低い給料で従業員を雇うことがあります。
例えば英語が話せない留学生は現地の会社(正規の給料)で就職できないので、日本食レストランが唯一の選択肢。
それを利用して搾取するなんて、酷すぎる。
ボクも留学したての頃は日本食レストランで働いていました。時給は最低賃金よりも低く、今でも悔しい思いをしています。
2021年6月現在、法律で定められているオーストラリアの最低賃金は$19.84 です。
2019年にはオーストラリアの最低賃金はOCED諸国の中で最高でした。
これから仕事を探す人は就職先が最低賃金を上回っているか、しっかり確認してから応募してくださいね。
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この他にもオーストラリアで働くメリットはたくさんあります。
>>海外(オーストラリア)で働く9つのメリット:もう日本では働けない
3、こんなに休めるの?手当てがでる休暇の種類

従業員は国が定める権利の一つに休暇手当があります。
日本に比べてオーストラリアは特にしっかりしています。
どのような権利が自分にあるのかしっかり把握して必要時に使うようにしましょう。
Fair work ombudsmanのサイトから確認できます。
Annual leave
日本の有給休暇にあたるものです。
フルタイムの場合は1年に与えられるAnnual leave は4週間分。パートタイムは働く時間に応じて時間数は減少します。
基本的にはいつ、どれだけ取るかは本人次第です。
Sick leaveとCarer’s leave
本人が病気、ケガなどの理由で働けない場合に給料を支払われて取得できる休暇。
また本人の家族が同じ理由で助けが必要な場合はcare’s leaveになります。
- 大型連休の前後
- 月曜日、金曜日
- パーティーの翌日
このような日にはなぜかSick leaveを使う人が多く、他のスタッフを探す役割のボクとしては困っていますw
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オーストラリアで働く看護師の正直な感想はこちらの記事から読んで貰えます。
【体験談】オーストラリアで就職した看護師のリアルな感想
Long service leave
一つの会社て長く働き続けると、その長さに応じて休暇が貰えるシステム。
Annual leaveと似ていても、違う点は7年以上働いた場合に利用可能になることです。
こちらのサイトからあなたのLong service leaveがどれだけ溜まっているか確認してみてください。
州ごとに規定が違うのでお住まいの州ごとのルールを調べることをオススメします。
その他の手当てが出る休暇
- Maternity & Parental leave
- Bereavement leave
- Community service leave
- Study leave
これらを利用できるので、オーストラリアで働くことの大きなメリットだと言えます。
自分の雇用形態ではどの休暇を利用できるか把握して、必要時に活用してみて下さい。
4、土日祝は休んでる場合じゃない!

オーストラリアでは土曜日、日曜日、祝日、夜間など、働くと基本給が上がるんです。
日本でもゴールデンウィークやお正月など少し手当が付くところがあります。
しかしオーストラリアはもっといい倍率で増えてくれます。
ボクが働いている会社を例えにすると、
- 土曜日は1.25倍
- 日曜日は1.5倍
- 夜間は1.5倍
- 祝日は2倍
というレートで給料が跳ね上がります。ウハウハです。
もちろん他の従業員もそれを知っているので、土曜日、日曜日、祝日のシフトは取り合いになります。
5、スーパーアニュエーション?何のこと?

オーストラリアで働いていると、スーパーという言葉を聞いたことがあるかもしれません。
簡単に説明すると、老後のために蓄えるための投資ファンドです。
日本の年金との違いは、スーパーはあなた個人の貯金箱であること。
つまり多く貯金すれば、それだけ老後に引き出せるお金も増えるということ。
オーストラリアでは会社が給料の9.5%を(2021年7月1日からは10%)をスーパー運用会社に振り込みます。
ちなみに一部の日本食レストランなど、スーパーが振り込まれないのでご注意ください。
6、源泉徴収て何?めちゃくちゃ給料が減っている…

日本でも源泉徴収は行われていますが、オーストラリアでも同様です。
源泉徴収(tax withholding)とは、雇い主が従業員に給料を支払う前に所得税などを事前に差し引いて支払う制度。
国が税金の徴収ミスを防ぐためにあらかじめ多めに天引きして、確定申告の時に多くとりすぎた分を返金するというシステム。
ATO(税務署)のサイトでどのくらい給料から源泉徴収されるか計算できます。
ボクの場合、税引き前の金額から35%ほど引かれているので、給料明細を見ると悲しい。
同時に「必ず確定申告で取り戻してやる!」
という気持ちも沸いてきます。
オーストラリアでは日本のように会社があなたの代わりに確定申告をしてくれません。
年度末に忘れずに行いましょう。
7、あなたの税率は?年収によって税金の徴収率が変わる

所得税(income tax)の徴収率はあなたの年収次第。
税率は5段階に分けられていて、年収が多くなるほど高い税率を支払うシステムになっています。
こちらのサイトから確認してください。
そして会計年度末の6月には確定申告(tax return)が待っています。
日本で企業に勤めていた人は会社が代理してくれていましたが、オーストラリアでは個人で行わなければなりません。
ボクは細かい税務については自信がないので、税理士に頼んで申告してもらっています。あなたもお忘れなく。
8、レシートは控除に使うので絶対に捨てないで!

仕事に関係する買い物は控除申請できるので、レシートや記録をしっかりと残しておいてください。
控除(tax deduction)とは、仕事に関係した支出を課税される所得から差し引くことです。
年収$50,000のTomのケース
仕事用に$1,000の電動ドライバーを購入しました。
申告しなければ所得税は$50,000に対して課税されます。
しかし電動ドライバーを控除申請すると、$49,000が所得税の課税の対象になります
塵も積もれば山となるんです。
ここで注意するのは、電動ドライバーの購入金額$1,000が返還されるのではない点です。
職業ごとに控除申請できる商品が違いうので、詳しくはATO(税務署)のサイトから確認してください。
レシートを集めておくのが面倒で、何度も忘れて申請できずに悔しい思いをしました。
わからない場合はとにかくレシートを保管しておく癖をつけておきましょう。
日本にあってオーストラリアにはない制度

家計の大きな味方のボーナスがない
日本だと一般的に夏と冬1年に2回ボーナスをもらいます。
これを当てにして買い物をしたり、ローンの返済をする人も多いのではないでしょうか。
しかし残念なことに、オーストラリアではほとんどの会社でボーナスはありません。
毎月の給料からできる範囲で買い物をしていく必要があります。
交通費はでません!実費で現地集合です
交通費もボーナスと同様に貰える会社を聞いたことがありません。
日本ではアルバイトでも貰えていたのでオーストラリアに来てビックリしました。
例えば街中に職場があり毎日電車に乗る場合、交通費もかさむので非常に残念です。
オーストラリアは車での通勤が非常に多いので、ガソリン代も同様に支給されないのは残念ですね。
老後資金は退職金で?ありません
退職金も日本にあってオーストラリアにはない残念な制度と言えます。
一流企業に勤めて年金をたくさん貰って、老後に備えるという一昔前の方法は取れません。
その代わりと言ってはなんですが、スーパーアニュエーションやpensionによって生活を支えていくことになるでしょう。
計画的に資産を形成していく必要がありますね。
まとめ
オーストラリアに移住した直後は、いろんなルールやあなたの権利を知らずに損していたことがあるのではないでしょうか。
そのようなボクの経験を踏まえて
- 雇用形態
- 最低賃金
- 手当がでる休暇の種類
- 休日手当
- スーパーアニュエーション
- 源泉徴収
- 所得税
- 所得控除
8つの項目について書きました。
これから働く人も、今働いている人も制度をしっかり把握して、必要時にしっかりと活用してくださいね。
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